脳脊髄液や脊髄神経、動脈の流れを阻害する要因を取り除く
当治療室では、パーマー系カイロプラクティックの理論と手技がベースとなり、オステオパシーやSOT(後頭骨仙骨治療)、CST(頭蓋仙骨治療)、AK(アプライドキネシオロジー)、筋膜リリースなどの優れた手技を統合し日本人の体質や環境に合わせたアジャストメント&リリースを行っています。
人の身体には、健康を回復させたり維持しようとする能力が備わっています。これを「ホメオスタシス=恒常性」と呼びますが、カイロプラクティックでは「イネイト・インテリジェンス=先天的知能」と表現しています。判りやすくいえば「自然治癒力」という表現もその一部です。
人体は、脊髄液や神経や動脈が正常に流れない状態が続くと抵抗力が低迷し、やがて細胞や器官の働きまで低下していきますが、骨格矯正では、この脊髄液や神経、動脈の流れを阻害する要因である「歪み」や「圧迫」を取り除くために骨格構造を専門的な検査(姿勢・歪み・重心・可動域・筋力等)で確認のうえアジャストメントを行なうものです。
健康な身体は、正常な骨格(姿勢)を保っている
骨格矯正の手技をアジャストメントと呼びます。このアジャストメントとは、文字通り「矯正」「調整」を意味しますが、特殊な手技によって脊椎や骨盤・胸郭・四肢・頭蓋骨などの関節や縫合に対して行なわれます。
西洋医学が症状から診断を行い、その症状や訴えを消すことを第一に対処療法が行われますが、骨格矯正では症状にとらわれることなく(根本から見つめるために、惑わされない、振り回されないの意味)「健康(体)は正常な骨格(姿勢)を保ち、その骨格構造は身体機能と相互関係にある」という理念に立っており、神経の伝達や血液、リンパの流れを正常にすることを主軸にアジャストメントしていきます。
もちろん症状のことは決して忘れてはいません。根本から見つめるためには、症状に振り回されその都度対処に追われるのではなく、現時点での骨格のバランスが症状出現にどう影響しているか、という背景を理解したうえでアジャストメントしていくことが大切なのです。
症状を消すことだけなら、痛み止めでも、湿布薬でも、ブロック注射でも良いのです。しかし、筋骨格系(筋肉や骨組み)に関わる症状の多くが、筋肉や骨そのものには異常はなく、骨盤や頸椎、頭蓋骨の歪みや圧迫、バランスの変化で出現していることに着目すべきでしょう。
主に使用されるアジャストメント例
トムソン・テクニック
- Dr.クレイ・トムソン創始(米国)
- 電動式のターミナルポイント・テーブル(別名トムソン・テーブル)を使用し、ニュートンの第1法則を応用した「押圧する力と落下する力」による二つの力によって、背骨や骨盤などの関節面に無理なく正しい位置関係を修復するテクニックです。
- 背骨や骨盤などの特定部位に対し、軽い押圧と同時にクッション部分が瞬時に落下することで矯正部位や身体に負担なくアジャストメントが可能です。
ピアーズ・テクニック
- Dr.ウォルター・ピアーズ創始(米国)
- トムソンテクニックと同様、ターミナルポイント・テーブルを使用したテクニックで、トムソンとは異なる角度から分析された独特のアジャストメントは大変効果が高く、腰痛、ヘルニア、坐骨神経痛、ひざ関節痛、むち打ち症等にとても有効です。
クレニオセイクラルセラピー
- Dr.ジョン・E・アプレジャー創始(米国)
- アプレジャーDOは1971年に、硬膜外カルシム沈着除去の外科手術中(米国では、オステオパシー・ドクターは一般医師と同等の地位と処方が許されている)に、硬膜が1分間に約6〜12回の独特のリズムで動くことを発見し、SOT同様にドクター・サザーランドの頭蓋〜仙骨メカニズムをヒントに創られたテクニックです。
- 特徴は、ほんの僅か10グラム程度のソフトなタッチで頭蓋骨の縫合や位置バランスを整え、硬膜の緊張を解放し、脳脊髄液の循環を促進させるオステオパシーの流れを汲む治療法です。自律神経やホルモンバランスの調整に有効です。
SOT(仙骨後頭骨テクニック)
- Dr.メイジャー・B・デ・ジョネット創始(米国)
- デ・ジョネットDCは、オステオパシー大学在学中に、頭蓋骨治療の創始者であるドクター・サザーランドに指導を受けたのを切掛けに、頭蓋骨〜仙骨呼吸メカニズムの理論を取り入れSOTの基礎を創りました。
- 「Cat1:機能的問題(硬膜)」「Cat2:構造的問題(仙腸関節)」「Cat3:椎間板のの問題(Cat2に不順応な状態)」に3分類し、骨盤にクサビ形のブロックを挿入したり、脊髄反射弓を正常にしたり、頭蓋骨を治療するなど、主に硬膜の捩れや脳脊髄液の循環を改善することで自然治癒力を引き出すテクニックです。