カイロプラクティックの和訳が整体ではありません。
カイロプラクティックは、1895年に米国で生まれた手技療法で、現在は米国をはじめ、カナダ、ニュージランド、ヨーロッパの一部の国では、ドクター・オブ・カイロプラクティック(D.C)と言う称号の付くカイロプラクティック専門の医師という立場にあります。
残念ながら日本においては、法制化されていないため未だ民間療法的な域から抜け出ていません。
日本で法制化されずとも欧米諸国では4年制の専門大学が存在し「WHO=世界健康機構」でも独立した医療行為として認められているものであり基礎理論や実技が怪しいものではありません。
しかし、日本では医師会を筆頭にカイロプラクティックは危険であると弾圧してきた歴史とその関係筋は常に否定する発言が多いこと、そして事実、基礎医学も学ばず短期講習会で身につけた程度の術者が怪我を負わせる事故も事実あるため難しい立場にあります。
厚生労働省(旧厚生省)は、公的な資格(国家資格)である鍼灸師、あんまマッサージ指圧師、柔道整復師といった資格所有の上で、個々に学んだ技法、療法(カイロプラクティック、オステオパシー等)を施すことは既に基礎医学を学んだ上で施術する方が、無資格者が施術するより安全であるとの見解を示しています。
カイロプラクティックの基本原理は、脊柱や骨盤の構造的な歪みを修復することで神経や血管の圧迫を取り除き自然治癒力を引き出し身体機能を正常へと導くためにアジャストメントを行うものです。
日本のカイロプラクティックを正当に発展させるために今後重要なのは、米国同様に教育機関を充実させ基礎医学もちろんのこと、基礎理論、哲学、実技のレベルを高めることであります。
一方整体は、中国や日本古来の骨法、按摩術などを基礎にツボや経絡治療なども取り入れた東洋的な流儀や様々な整体手技が存在してます。
(注:野口整体は有名で歴史があり上記のものとは異なる、自ら体を整える体操の要素が強く、現代社会で一般的に知られるボキボキ整体等とは異なる正統なものですので、ここでの無資格整体を指すものではありません。)
現代のネット社会においては、一般的にカイロプラクティックも整体のジャンルの一部として捉えられているため名称だけでは判断できない状況にあり、一部の整体院では、整体の施術や定義を曖昧にし整体の名の下で無資格者によるマッサージを主とした行為が横行している実態があります。
しかし、マッサージ資格を持たないものがマッサージを行うことは違法となります。
一時期は、印象の強い首や腰を捻る行為をメディアが取り上げるとその流れの整体院が増え、今はソフト、ストレッチ、肩甲骨剥がしが主流です。
ネット上では、名人や鉄人がそこら辺中に沢山いらっしゃいます。派手なキャッチコピー、耳心地のよい言葉、宣伝文句に惑わされず、院や施術者の質を正しく読み取ることが大切です。先ずはどんな免許を資格を所有しているのか確認すべきでしょう。
国が認める資格免許は三種、針灸・マッサージ指圧・接骨
公的資格を持たず、◎◎協会認定、日本◎◎連合認定など様々な民間団体の名称を使う院が増えていますが、日本国内で認められる公的資格免許は以下のとうりです。
針灸師免許
・登録できる名称:★★鍼灸院、★★鍼灸治療院、★★鍼灸治療室等
按摩マッサージ指圧師免許
・登録できる名称:★★治療院、★★治療室、★★指圧院、★★指圧治療院等
柔道整復師免許
・登録できる名称:★★接骨院、★★整骨院、ほねつぎ★★等
また、複数の免許を所有している場合、★★針灸整骨院、★★針灸マッサージ接骨院等、所有免許をおり混ぜた名称も見られます。
この三大資格免許以外に許された国が認める資格は存在しません。これらは世間に広く知られておらず、馴染みのない業界の団体名や協会名を見聞きしても何が伝統ある正当な団体か最近名乗りだした民間の団体(整体師、自称団体を名乗るのは自由)か判断がつかないことでしょう。
これらの資格免許は、厚生労働大臣が認定する専門の学校を3年の基礎医学と実技時間を費やし、卒業することで「認定試験を受ける受験資格のみを得られる」ものであって、卒業=資格の授与ではありません。
卒業後、年に一度行われる試験(指定会場)で学科と実技試験に合格することで晴れて資格免許が得られるという費用と時間のかかった意義のある資格免許なのです。なお、受検に失敗した場合は翌年の試験を受けるしかありません。(民間団体の講習会やセミナーで終了すると与えられるディプロマとは全く異なるものです。)